『学校に行きたくない。。。』
子どもにとって学校は日常の大きな時間を過ごす場所です。
そこが楽しくない。
行きたくない。
それがどんなに辛いことか。
想像してみてください。
学校に行ってもいじめられ、居場所がない。
でも先生には『頑張って!』と言われ、親にも行きなさいと言われる。
これは辛い。
その先に待っているのは。。
夏休みあけ、9月1日は子どもの自殺がもっとも増えると言われています。
僕にはその気持ちがわかります。
確かに親の立場からすれば、自分の子どもは普通に学校に行ってほしい。
その気持ちもわかります。
でも、そんなことより命の方が大事ですよね。
そもそも比べるものじゃない。
学校に行かせたい。
その気持ちをぐっとこらえて、まずは僕の話を聞いてください。
僕は不登校でした。
文部科学省の統計によると、いま日本には不登校と呼ばれる子どもが約13万人いると言われています。(ちなみに不登校の定義は年間30日以上の欠席です。)
僕の場合は、幼稚園から行ったり行かなかったりを繰り返し、小学校2年生からは完全に不登校になりました。
正直、学校に楽しい思い出はありません。
やりたくないことをやらされ、居場所がなかった。
僕は不登校になってからの方が幸せでした。
1番辛かったのは不登校になる直前です。
学校に居場所がなくて楽しくないのに、無理やり行かされる時期が3ヶ月くらい続きました。
毎朝、玄関の前で親と喧嘩をする毎日。
あれは本当に辛かった。
目次
子どもに理由を聞かないでほしい
今でこそ不登校になった理由をかなり言語化できますが、当時はもちろん無理でした。
もっというと理由を話すと、その理由を解決されるような気がしたのです。
『これが理由なんだったら、じゃあこうしたら行けるよね?』
それは悪魔の言葉で、
そもそも特別扱いされることで周りからの目線が気になってしまいます。
理由を聞くのであれば、あなたを無理に行かせるようなことはしない。という信頼関係を必ず作ってほしいです。
当時の僕は、親のことを敵だと思っていましたから。
保護者の方へ伝えたいこと
不安だと思います。
できることなら学校に行ってほしいという気持ちはわかります。
ですが、選択肢を狭めてませんか?
みなさんの世代では学校以外の選択肢が少なかった。学校に行くことは正しかったと思います。
でも今は違う。
例えばリクルートが運営するスタディサプリでは月980円で、5教科小・中・高・大学受験に対応した授業を受けることができます。
他にもYouTubeを探せば、面白くてわかりやすいYouTuberさんの授業動画がたくさんアップされています。
昔からの有名どころだとベネッセの進研ゼミもありますよね。
勉強することだけであれば、いくらでも他に選択肢はあると思うんです。
大切なのは学校に通うことじゃない。
勉強よりも大切なことは同世代のコミュニティ
これからの学校で大切なのはコミュニティです。
学校に行かなくなると、一気に繋がりが途切れる可能性があります。
これは問題があります。
人とのコミュニケーションは経験を積むしか学ぶ方法がなく、間合いというか、空気を読むだったりというか、なかなか言語化しにくい、人が知らないうちに身につけている力があります。
これはとても大切なので、不登校になっても学校以外に繋がりを作ることは必要です。
僕は教育支援センター(旧適応指導教室)に通っていました。
不登校の子どもたちが集まる場所です。
ここでの出会いが本当に素晴らしく、当時の友人とはいまでもみんなで遊びます。
学校のクラスメイトはいませんが、この教育支援センターで出会った友達がクラスメイトのような感覚ですね。
よく『不登校から社会復帰したきっかけはなんですか?』という質問をいただくのですが、僕は社会復帰したという感覚がありません。
学校に行ってたときよりも、学校に行かなくなった後の方が友達が多かったし、楽しかったので。
それは本当に幸せなことで、この場所があってよかったなぁと思います。
しかし、教育支援センターは自治体の約半数しか設置されていません。
予算や人員不足など、いろんな理由があるのですが、自治体を頼っていては限界があるので自分たちで居場所を作ることにしました。
それが#不登校は不幸じゃないです。
2018年8月19日、もともと不登校の経験がある当事者を中心に全国100ヶ所で居場所作りを行いました。
関連記事 #不登校は不幸じゃない実績まとめ
Twitterの#を使ったメッセージは2万件を超え、たくさんの著名人にもご賛同いただいています。
全国各地で居場所を作ること、そして不登校のイメージを変えていこうとしています。
活動に関心がある方はぜひこちらのFacebookグループにご参加ください。1000名以上のメンバーがいます。
学校以外に居場所ができれば、学校に行けるかもしれない
たくさんの当事者と会ってきた中でわかったことがあります。
学校以外に居場所ができると、むしろ学校に行けるようになる場合があります。
逃げ場ができると、学校でイヤなことがあっても我慢できたり、イヤなことにイヤと言えるようになります。
この場所でうまくやっていけなくても他の場所に行くことができる。
その安心感が重要。
1つではなく、複数のコミュニティがあることで、心の居場所が広がるんです。
親に相談できていない子どもがたくさんいます
先日、SCHOOL OF LOCK!というラジオ番組に出演しました。
生放送で10代と電話を繋いでお悩み相談に答えていく番組。
学校が辛いけど、親に心配をかけたくないから相談できてないという子がいました。
これは本当に辛い。。
親の対応や社会の空気がそうさせてしまっています。
この子はまだラジオで相談できたり、学校に数名の信頼できる友人がいるみたいなので、まだ大丈夫なのかもしれません。
どこにも仲間がいない子がいます。
世界のどこにも助けてくれる人がいない感覚。どこにも居場所がない。
夏休みあけに子どもの自殺が増えるのは、不登校が原因ではありません。
不登校になりたくても、なれない子ども。
その辛さが限界を超えたときに起きることです。
自分の子どもに限ってそんなこと。。。
おそらくみんながそう思っています。一度お子さんと向き合ってみてください。
学校の先生はとても忙しく、1人1人の状況を細かく把握はできないので、先生に任せるのはかわいそうな話です。
僕が親に感謝していること
僕はさまざまな選択肢を与え続けることが、大人の役割ではないかと思っています。
子どもの視野は狭いし、なにかをやってみるお金もありません。
大人の役割は子どもの可能性を信じ、やりたいことを見つけてあげるサポートと、それが見つかったときに応援してあげることだと思います。
僕の親はやりたいことを好きにやらせてくれたし、居場所になった教育支援センターは親が見つけてくれました。
子どもだけでは知ることができない選択肢を、親が見つけてあげてほしいです。
もちろん、自分の価値観を押し付けるのはダメですよ。
時代が違うので。
例えば、受験勉強をしなくても大学に行けるって知ってますか?
AO入試を活用すれば、センター試験を受けずに大学に入学することが可能です。
僕もセンター試験を受けずに大学に入っています。これはここ10年くらいの話。
別に就職しなくても、自分で稼ぐことは簡単になってきました。
例えばクラウドワークスというサービスを使えば、誰でも自宅でできる簡単な仕事をマッチングしてくれます。
まずはここからはじめて、そのまま自分で稼ぐ力をつけてしまう選択だってある。
これまでは難しかったフリーランスという選択肢が、ここ数年で一気に広がっています。フリーランス人口は1000万人を超えたそうです。
社会には様々な選択肢があります。
しかし、子どもがそれを知るには親のサポートが必要です。
学校にこだわらず、一度固定概念を無くしてみてください。
世界はもっと広いから。
他の人の体験談を読んでみよう
このブログではたくさんの不登校体験談を寄稿してもらっています。
僕の意見だけではなく、たくさんの意見を参考にしてみてください。あなたにぴったりのロールモデルが見つかると思います。
僕の本も参考になると思います。もしよろしければ。
関連記事 学校に行きたくない不登校の子どもに読んでほしい記事まとめ。
小幡和輝 Kazuki Obata (@nagomiobata)
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NagomiShareFund & 地方創生会議 Founder/内閣府地域活性化伝道師・#不登校は不幸じゃない 発起人
1994年、和歌山県生まれ。約10年間の不登校を経験。当時は1日のほとんどをゲームに費やし、トータルのプレイ時間は30000時間を超える。その後、定時制高校に入学。地域のために活動する同世代、社会人に影響を受け、高校3年で起業。様々なプロジェクトを立ち上げる。
2017年、47都道府県すべてから参加者を集めて、世界遺産の高野山で開催した「地方創生会議」がTwitterのトレンド1位を獲得。その後、クラウドファンディングと連携した1億円規模の地方創生ファンド「NagomiShareFund」を設立し、地方創生の新しい仕組みを構築中。
2018年、不登校を肯定するムーブメント「#不登校は不幸じゃない」を立ち上げ、8月19日に全国100ヶ所でイベントを同日開催。SNSで#の関連投稿は2万件を超え、多くのメディアにも取り上げられた。GlobalShapers(ダボス会議が認定する世界の若手リーダー)に選出
メディア出演 NHK・フジテレビ・日本経済新聞・The Japan Times など