はじめまして、栞と申します。
私の一人息子は中学2年生の時に、サッカー部の顧問に濡れ衣を着せられて一時的に不登校となった時期があります。
今から3年前の2016年の夏休み明けに、不登校の原因となる事件がサッカー部の練習試合中に起きました。その日は土曜日で午前中に近隣の中学校と練習試合を行っていましたが、試合後に一人の生徒が「財布が無い」と言い出したのです。その生徒は間違いなく財布をリュックの中に入れていたと主張しましたので、盗難事件という訳です。
その日の試合には、息子は3年生に交じって前半はフィールドに立っていました。後半は3年生優先ということでベンチウォーマー。一番隅の席に座って応援していたようですが、その席の近くのリュックから財布が無くなったので、顧問の先生が「お前、知らないか?」と息子に聞いてきたそうです。
その時点で息子は「なんでオレが聞かれるんだ?」と感じたとのことですが、部員全員で財布を探して見つからなかった後に、再度息子だけが部室に呼び出されて顧問から「本当に知らないか?」と問い詰められました。息子は自分が疑われていることを完全に悟り、顧問に対する不信感が募ったのです。
結局財布は見つからないまま解散して、息子が自宅に戻ってきました。開口一番「めっちゃ頭にくる」と震えながらいきさつを説明してきました。
息子が何か欲しいという時には、夫がこっそりと息子にお小遣いをあげていることを私は知っています。ですから、お金が無い時に人の物に手を付けるようなことは絶対にないはず。息子の話をひと通り聞いてから顧問へ電話しました。
顧問は、別に息子のことを疑っているわけではない、と弁明しましたが私たち夫婦も釈然としませんでした。そして、月曜日になると息子が「学校に行きたくない。オレ疑われてるし」と登校を拒否。どうしても行きたくないの一点張りだったので、「熱が酷いので、休ませます」と学校に連絡して休ませました。
サッカー部の顧問にだけは、「疑われていることがショックで行きたくないと言ってます」と本当のことを伝えました。仮病で休むこと4日間、その週の木曜日の夕方に顧問から電話が来て、その後顧問と財布を盗まれた生徒の二人で我が家を訪問してきました。
訪問理由は、「財布は盗まれていなかった」というもの。「盗まれた」と主張した3年生の生徒が家に帰ると、違うバッグの中に自分の財布を見つけたとのことでした。単に自宅に忘れていただけということを顧問に打ち明けて謝罪。それを聞いた顧問が慌てて我が家に来たのです。
顧問とその生徒の二人が、私と息子の前で神妙な面持ちで丁寧に謝罪してくれました。二人とも深々と頭を下げてくれたので、少しモヤモヤは残りましたが謝罪を受け入れました。そして、翌日の金曜日から息子は学校へ通い出したのです。
事の発端は生徒の勘違いでしたが、それにもかかわらず自分が疑われたことに息子は大きなショックを受けていました。勉強が嫌い、運動が嫌い、何かがうまくいかない…そんなことよりも人に信用されないことのほうが、子供心にも辛いことなのだと気づかされました。
幸いにも学校へ戻ってからは、サッカー部の顧問も、財布紛失の3年生にもとても良く可愛がられて、心の傷が癒えたようです。
息子が「休みたい」と行った時に、夫婦でその気持ちを尊重してあげて本当に良かったです。
無理強いしていれば、両親からの信頼まで失ってしまったと感じて孤独になっていたでしょうから。いつでも、どんな時でも自分の子供を無条件に信じる心が親には必要なのだと痛感しました。
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