不登校のお子さんに対して、将来に不安を持つ親御さんもいらっしゃるのではないでしょうか。そして、学校に行かないとどうなってしまうのか、本人も悩んでいることが多いです。
結論から言うと、将来を悲観する必要はありません。不登校から進学・就職している人もたくさんいます。
改めまして、こんにちは。小幡和輝と申します。
僕は、全国100箇所で不登校の経験がある人を中心にイベントを開催したり「学校は行かなくてもいい」などの教育系の書籍を出版したりしております。
僕自身、約10年の不登校を経験した後、大学まで進学し、起業もしています。このように、今学校に行かなくても明るい未来が待っている可能性は十分あります。
不安になってしまうのは、不登校経験者の将来について情報が足りないからです。この記事では、僕以外の方の体験談を含めつつ、将来の話や、今やっておくべきことを解説していきます。
ぜひご覧ください!
目次
不登校でも将来は問題ない
冒頭の繰り返しになりますが、現在学校に行っていないお子さんでも、将来を心配する必要はありません。不登校から自分の道を見つけたり、進学したりしているケースは多いものです。
文部科学省では、中3で不登校だった生徒の追跡調査を行なっています。その結果、81.9%の不登校児は、20歳になったときに就学・就業していることがわかりました。
また、当サイトにも不登校から進学・就職している方の体験談が多数寄せられています。ここでは代表して一つご紹介します!
【体験談】中学校に半年しか行けなくても将来は大丈夫だった
中学で不登校になってから、高認試験を受け、大学進学された方の体験談を紹介します。学校に行かない時期があっても、充実した生活をできることがわかるはずです。
なお、当サイトでは不登校の体験談を引き続き募集しています。(当事者や保護者など)書き方マニュアルを作っているので書きやすいと思います。詳細はこちらの記事を。
ペンネーム Sin
今から15年前、2004年の話です。
僕は小学校5年生3学期のとき、親の都合で関西から九州に突然引っ越しすることになりました。
九州の学校に転校した初日、田舎の学校では関西人が珍しいからか最初こそ歓迎されたものの、元々友達をつくるのが苦手なこともあって今度は逆にイジメのターゲットになってしまいました。
それから小学6年生までの間、学校を休むことは多かったものの、「中学校に行けば何か変わるはずだ!」となんとか我慢することが出来ていた状態でした。
そして中学生になってみると、皆友達作りや新しい環境に馴染むのに精一杯だからか実際にイジメがなくなりました。
しかしそれもつかの間、半年程するとまたイジメを受けるようになってしまい、更に悪いことには小学校の時よりイジメに参加する人数が増えていきました。
僕はとうとう耐えかねて、その日から卒業式の日を除いて学校に登校することは出来ませんでした。
僕の父親や、何度も僕を説得にこられた中学校の先生方(担任や学年主任)は不登校期間が延びるにつれて、「このまま中学校に行かなかったらお前の将来は無い」「このまま休んでいると中学校を卒業出来ない可能性がある、留年したらどうする?」というような当時の自分には脅迫に聞こえるようなことも頻繁に言われるようになりました。
そのたびに将来のことを想像して暗い気持ちになっていましたが、だからといって学校に行くことも出来ず、将来への不安に耐えかねて自殺を考えたことも一回や二回ではありません。命のホットラインにも泣きながら電話をかけたことがあります。
ちなみに勉強は自宅で”少しだけ”していました、と言っても中学1年生の教科書を使っていたのでしていないも同然かもしれません。
そんな状況だったので「留年したらどうしよう」と毎日心配でしたが、結果的には普通に卒業式を迎えることが出来ました。
「思い出が無いのは悲しいからせめて卒業式だけは出よう」と自分から思い立ち、当日は緊張で一睡も出来ずに登校したことを覚えています。
卒業式の日のことはよく覚えています、お別れの日だったこともあって思ったよりしんどくなく、クラスの皆も優しく声をかけてくれたので「もう少し学校に来ても良かったのかな」と思いました。
さてその後、僕の将来は終わってしまったのか。
正直に話すと全く終わっていません!今僕はとても楽しい毎日を過ごしています。
その後の僕は高校に行かず簡単なバイトをしながら毎日ボーっと過ごしていましたが、その後「大学に一回行ってみたい!」との思いが突如として沸き上がり、両親を説得して大学受験に挑むことになりました。
まず不登校を歓迎している予備校に通って高卒認定試験を受験、半年かけてなんとか合格。
そして予備校に通い始めてから約2年、なんと中学校を半年しか登校出来なかった僕が普通レベルの大学に無事合格することが出来ました!
不登校だからといって将来は全く暗くありません。
今となってわかるのですが、学校での生活はその後の人生においてほんの一瞬の出来事にしか過ぎなかったのです。
もし今不登校であればやっぱりとても苦しいと思います、不安や辛さは本当に良くわかります。
しかしいつの日か必ず家族揃って不登校だった頃のことを笑って話せる日が来ます、これは本当です。
そんな僕は今、自宅で自分の好きな仕事をやりながら毎日楽しく過ごしています。
これからはインターネットで仕事が出来る世界、選択肢は人の数だけあるので人が苦手でも生きられる世界です。
最後に、僕と同じく中学校にほとんど行けなかった不登校のお友達を紹介します。
皆学歴こそないけれども持ち前の優しさで、ある人は大手のチェーン店の正社員として元気に働いていますし、ある人は小売り店の店長をやっています。
だから心配しなくても大丈夫、学校に行かないくらいでは人生はビクともしません。
不登校にも明るい未来が待っています。
不登校が原因で将来考えられる2つのリスクと対策
ここまで、不登校でも将来を悲観する必要はないとお伝えしてきました。
しかし、学校に行っていない期間に何もしないでいると、リスクがあるのも事実。学校では勉強とともに人間関係の築き方を学べるからです。
具体的には、不登校により下記のリスクがあります。
- 引きこもりになりやすい
- 就職先が限られる
このような状況を避けるには、学校以外の場所での経験が大切です。ここでは、対策とともに紹介していきます。
【不登校の将来のリスク1】引きこもりになりやすい
不登校のお子さんは将来的に引きこもりになる可能性があります。成人後引きこもりになった人のうち、50.9%が不登校経験があったという調査結果もでています。
不登校のお子さんも、人とコミュニケーションを取る機会を作ってください。社会性を身につけ、居場所を作るために、コミュニティに属することが大切です。
僕の場合は適応指導教室やフリースクールに通っていたので、コミュニケーションに困ることはありませんでした。このように、お子さんの居場所を外部に作るようにしましょう。
引きこもりについて、詳しくはこちらの記事で解説しています。
>>引きこもりの原因と9つの対策を徹底解説【統計的データも紹介】
【不登校の将来のリスク2】就職先が限られる
不登校のまま仕事を探した場合、将来の就職先が限られるリスクもあります。
特に、高校を卒業していない場合、正社員になるのはかなり難しいもの。厚生労働省によれば、中卒で正社員になっている人の割合は37.5%。大卒の79.6%と比較すると半分以下です。
しかし、不登校からでも高校・大学に進学することはできます。学校に行っていない期間も学力をつけ、いざというときに困らないようにしておきましょう。
なお、タブレット学習の「すらら」であれば、無学年方式でお子さんの理解に合わせて勉強できます。すららを使うと不登校でも出席扱いにできるので、おすすめです。
不登校からの進学についてはこちらの記事で解説しています。
>>【不登校から高校進学】高校受験の不安を減らす、知っておきたい最新情報
>>不登校から大学進学する4つのルートと受験の裏技3つを解説
不登校児の将来のためにできる5つの行動
それでは、不登校のお子さんの将来のために今できる行動を5つ紹介します。
- 学校以外の居場所を作る
- 将来の選択肢を示す
- 勉強する機会を保つ
- こどもの味方でいる
- すべてを抱え込まない
ぜひ、参考にしてください。
【不登校児の将来のためにできること1】
学校以外の居場所を作る
まずは、学校以外の場所で友達を作れるコミュニティに参加できるようにしましょう。コミュニティのなかで人間関係を学んだり、仲間を作ったりすることは大切です。
人間関係の築き方を学べるのは、学校だけではありません。フリースクールや、習い事などの場所で十分経験できます。
僕の場合は、適応指導教室やゲームをする仲間と交流をしていました。学校以外の場所でいろいろな人と話していたため、イベント企画や書籍出版などの会社の立ち上げもできています。
コミュニケーション能力を磨くために、ぜひ交流の場をつくりましょう。
【不登校児の将来のためにできること2】
将来の選択肢を示す
不登校になっているお子さん自身も、将来に対して不安を感じていることは多いものです。そのため、不登校から成功した人や学校に行かずに夢を叶えた人の方法をたくさん伝えてあげましょう。
学校に行かなくても、社会で活躍している人はたくさんいます。また、学歴が気になるならば、AO入試を活用して大学に入る手も。このように、将来の選択肢はたくさんあるのです。
不安のほとんどは、これからどうなるかという情報が不足していることから現れるもの。さまざまな道をお子さんと一緒に探してみてください。
【不登校児の将来のためにできること3】
勉強する機会を保つ
学校に行かなくても、社会で生きていくための最低レベルの知識は身につけるべきです。特に、漢字や英語などの言語は、その場で臨機応変に使えるようにしておくと困りません。
学校のカリキュラムをすべて身につけなくとも、最低限は勉強しておくことをおすすめします。
自宅で勉強するならば、タブレット教材の「すらら」がよいでしょう。無学年方式で、ひとりひとりのレベルに合わせた勉強ができる上に、不登校でも出席扱いしてもらえます。
>>【評判】すららの5つの特徴とメリットを徹底解説【不登校生にもおすすめ】
【不登校児の将来のためにできること4】
こどもの味方でいる
不登校であることを認め、味方でいましょう。
子どもは少なからず、学校にいけないことに対して負い目を感じています。そこで学校に行かないことを責められると、より悩んでしまって家庭内の居場所をなくす原因にも。家族に話をしなくなり、どんどん閉じこもってしまいます。
逆に子どもの味方でありながら、興味あることに挑戦させていると、そこから道がひらけることもあります。夢中になれることに、とことん打ち込ませてあげてみてください。
【不登校児の将来のためにできること5】
すべてを抱え込まない
不登校の原因は自分にあると、親御さんがすべてを抱え込んではいけません。それ自体が子どものプレッシャーにもなります。
親御さんは自分の人生を楽しもう、くらいのスタンスでいるほうが、うまくいくことが多いです。
もし、お子さんとの対応に困り、悩みを吐き出すところがないのなら不登校の親の会を利用すると良いでしょう。同じ経験をした人たちでつながることで、支えになります。
こちらの記事では地域別に情報をまとめています。
小幡和輝からのメッセージ
不登校だからといって、将来を悲観する必要はありません。学校に行かない時期があっても、進学・就職などの希望を叶えることはできます。
夢中になれるものを極めれば、そこから道がひらけることもあります。学校に行くのも不登校になるのも、どちらも選択肢の一つでしかありません。
将来幸せになるために、情報を集めながら、好きなことに打ち込んでみてください。
人生で経験したことはどこで役立つかわかりません。まずは好きなことにとことんハマれば、必ず将来活きてきます。