こんにちは。小幡和輝と申します、
10年間の不登校経験があり、18歳で起業。今年で25歳です。
いまは自分の会社をやりながら全国100箇所で開催される不登校の経験がある人に向けたイベント『#不登校は不幸じゃない』の発起人をしたり「学校は行かなくてもいい」などの教育系の書籍を出版したりしております。
今日はこんなニュースが入ってきました。
不登校の小中学生は16万4528人(同2万497人増)。90日以上の欠席が約58%と長期の不登校が多かった。
不登校の数が16万人を超えました。
昨年よりも2万人以上の増加ということで、いまの学校が子どもたちにとってどのような場所かが伝わってきます。
不登校の数は毎年増え続けています。
2015年は12万6,009人だったので、3年間で約4万人増えたことになります。
これからも増えていくでしょう。
一方で子どもの数はどんどん減っているので、全体の割合として不登校はかなり増えています。
ですが、これを悲観的に捉える必要はないと思います。
不登校という選択が認められてきた
不登校が増えてきた原因の一つに、不登校という選択肢が認められてきた。という社会背景があると思います。
2017年に制定された教育機会確保法では、学校以外の教育機会を確保する施策を国と自治体の責務として明記されています。
不登校の子供に、学校外での多様な学びの場を提供することを目的とした法律。正式名称は「義務教育の段階における普通教育に相当する教育の機会の確保等に関する法律」(平成28年法律第105号)教育機会確保法 コトバンク
さらに、文部科学省からすべての学校に対して、不登校は問題行動ではないという教育方針が通知されています。→不登校児童生徒への支援の在り方について(通知)
このように社会のルールは変わっていきたのです。
これまでのように学校に行かなければならない。不登校支援は学校に戻すための支援。という時代はもう終わったのです。
さらに、学校に通わなくてもクラスジャパンやすららなどのインターネットで勉強すれば出席扱いになる仕組みも増えてきました。
僕も#不登校は不幸じゃないという言葉を作って、学校以外の選択肢を伝えていますが、こういったさまざまな活動が増えており、そもそも学校にこだわらない、不登校という選択もありという考えが広がってきていると感じています。
不登校が増えたという言葉だけだと悲観的になってしまいそうですが、このような社会の流れも一緒に把握すると、これまで不登校になりたくてもなれなかった子どもが不登校という選択ができるようになってきたとも言えますよね。
不登校の新しい解決法
これまでの不登校支援は、学校に戻すことをゴールにしていることが多かったです。
確かに、学校に戻りたいけど戻れない子どもにとってはいいのですが、そもそも戻りたくないと思っている子どもも多いし、戻りたいと思っている子どもはそもそも学校に戻る以外の選択肢を知らないのではないでしょうか。
もちろんあの学校で勉強したい、クラスの・・さんと会いたいという、その学校に戻りたいという想いがある場合はいいと思いますが、不登校になったということはそのコミュニティに合わなかった。というふうに割り切って考えていいと思うのです。
他のところでの学びに切り替えたり、可能であれば転校なども選択肢に入れ、学校にこだわらない子どもの幸せを考えていくというのが不登校の新しい解決法だと僕は思います。
今は本当に学校以外の選択肢が増えてきたし、学校にこだわらなくてもよくなった時代です。
学校に戻ることにこだわらず、もっと広い視野で子どもにとって最適な学び方を考えて見ましょう。
国による経済的な支援もあと一歩まできています
もっとも、学校以外の選択肢は広がってきていますが、現在の日本ではほぼすべてのお金を各家庭が負担しているので経済的な負担がとても大きいです。
例えばフリースクールの月謝は月平均3万3000円で、これを各家庭がすべて自己負担となっているのが現状です。
ですが、ようやく公的補助も入る流れがきています。
不登校の小中学生らの支援策として、文部科学省は来年度から、フリースクールなどに通う際の交通費や教材費の一部を補助する方針を決めた。
都道府県・政令市が補助制度を設けている場合に、その一部を負担する形をとる。
学校以外の場でも学びやすい環境を整えるのが狙いで、国が不登校の児童生徒に経済的な支援を行うのは初めてとなる。
不登校の小中学生が過去最多の14万人を超える中、2017年に施行された教育機会確保法は、フリースクールなど学校以外での学びの重要性を認め、行政に必要な支援を求めている。
文科省の調査(昨年12月時点)では、全国のフリースクール351施設(小中学生約2800人)のうち、9割近い309施設の子供たちには、都道府県・政令市の教育委員会などから経済的な支援がなされていなかった。
このため、文科省は経済的な支援を促進するため、国も一部を負担する必要があると判断した。
都道府県・政令市が、フリースクールや学校外に教委が設ける「適応指導教室」に通う子供を対象に、交通費や教材費、体験活動に要した費用などを補助する場合、その3分の1を国が負担する。
文科省は来年度の概算要求に、不登校の児童生徒への支援事業費として約2億円を盛り込み、その一部を充てる方針だ。
2019年8月28日読売新聞紙面より引用
2017年に教育機会確保法が施行され、学校以外の学びも重要だというルールが決まりました。
ですが、じゃあどうするの?という具体的な選択肢はまだ少ないです。
教育は国家の人材育成として、税金を使って投資すべきものなので、学校以外の学びに対しての補助もこれからどんどん増えていくことは間違いないでしょう。
ちなみに海外ではホームスクーリングといって、学校以外の学びがかなり一般化しています。日本もようやく進んできました。
いまはまだ耐えることもあるかもしれませんが、着実に一歩ずつ社会は前進しているのでみんなでできることを頑張りましょう。
僕も頑張ります。