小幡和輝 プロフィール
NagomiShareFund & 地方創生会議Founder 内閣府地域活性化伝道師 ゲームのオンライン家庭教師『ゲムトレ』代表。
1994年、和歌山県生まれ。約10年間の不登校を経験。定時制高校に進学後、高校3年で起業。
47都道府県から参加者が集う「地方創生会議 in 高野山」を主催。1億円規模の地方創生ファンド「NagomiShareFund」を設立。
2016年、ダボス会議を運営する世界経済フォーラムより世界の若手リーダー『GlobalShapers』に選出される。
2019年、日本初のゲームのオンライン家庭教師『ゲムトレ』を設立し、日本アントレプレナーシップ大賞(経済産業省後援)エンタメ部門グランプリを受賞。若者のこれからの働き方について多面的に発信・事業化し取り組む。
11月11日発売の著書 『学校では教えてくれない 稼ぐ力の身につけ方』より一部を公開します。
はじめまして。小幡和輝と申します。
僕はもともと10年間の不登校を経験したあと、夜間の定時制高校に進学しました。
それから高校3年生で会社を作り、いまも社長として仕事をしています。
高校生で起業したというと雲の上の話というか、あまり身近に考えてもらえないかもしれません。確かに会社を作って“ 起業”するためにはいくつかのハードルがあります。
大きなお金を扱い、ときには借金を抱え、従業員を雇用して…、みなさんがイメージする起業はこんな感じでしょうか? すべての起業がそうではありませんが、確かにそのような側面もあるし、向き不向きがあることも事実です。みんな起業すればいいとも思っていません。
ただし、起業=自分でお金を稼ぐ力だと考えると、みんなが持っておいたほうがいい力だと思います。
僕はよく学校などで講演の講師として呼ばれることがありますが、ほとんどの子どもは起業という言葉がピンときていません。それは危ないと思います。
なぜなら、どこかの会社に就職しているサラリーマンであっても、会社という組織の中でお金を稼ぎ、会社に貢献することで給料がもらえるからです。
この本で伝えたいのは、生きていく上で誰もが持つべき“稼ぐ力”の身につけ方。
優れた起業家は優れたサラリーマンであることも多く、お金を稼ぐ力は起業家であってもサラリーマンであっても持っておくべき能力です。
最近では副業解禁の流れもあり、自分でお金を稼ぎやすい環境も整ってきました。また、自分でお金を稼ぐ力があれば、いざとなれば仕事を辞めることもできます。僕はこのカードを切れるかどうかで、働いている瞬間の心の豊かさが変わってくると考えています。
働いていれば理不尽なこともたくさん起きるでしょう。自分は絶対間違ってないのに謝らなければならない場面、やりたくない仕事をやらされる場面、もしかするとセクハラやパワハラもあるかもしれません。いろんな理不尽に直面したとき、「じゃあ辞めます」と言えるかどうか。これができるかどうかで心の余裕が違います。
僕は誰もが起業したほうがいいと決めつけるつもりはありませんが、起業できる力はみんな持っておくべきだと思います。
この力がないばかりに心を病んでしまう社会人を多く見てきました。就活という枠にこだわりすぎて、病んでしまう大学生を多く見てきました。
なぜ、みんなは自分で稼ぐという選択肢を知らないのでしょうか? できないと決めつけてしまうのでしょうか?
1つの答えがあります。残念ながら、この力は学校教育では教わらないのです。
僕は不登校でした。学校教育をほとんど受けていません。
僕のビジネスの原体験は中学2年生のとき。遊戯王カードを転売してお金を稼いだことがあります。親のアカウントでオークションサイトに登録してもらい、安いカードを仕入れて、それを転売する。1か月に1万円くらいを稼いでいました。
『仕入れた物に利益を乗せて売る』というのは、商売の原型です。僕はこれでビジネスの基礎を実体験から学びました。
このお金でさらに欲しいカードを買う。普通の中学生であれば親にお小遣いをねだるのかもしれません。僕にとって、欲しいものは自分で手に入れることが当たり前なのです。
この感覚、この経験があるから、僕は高校3年生で起業できたのだと思います。
本書では、中学生までに読んでほしいお金の話をまとめました。僕の体験談と実際にお金を稼いでいる中学生へのインタビューなどを通じて、視野を広げてほしいと思っています。もちろん中学生だけでなく、高校生や大学生、社会人でも知っておきたいお金の話もたくさん入っています。
お金の話は学校であまり教えてもらえないので、年齢はあまり関係ないのかもしれません。お金の話は子どものうちにこそ知っておいたほうがいいと思うので、学校教育でもぜひ取り扱ってほしい題材ではありますが。
子どもがお金の話なんてするんじゃない、お金を稼ぐことは汚いことだと言う人もいますが、それは大きな間違いです。お金のことを知らないから苦労するのです。
お金は人からの感謝をわかりやすい形にしたものです。真っ当な方法でお金を稼いでいる人は、多くの人に感謝をされている人なのです。
本の題名を『学校では教えてくれない 稼ぐ力の身につけ方』とした理由は、中学を卒業したあとの選択肢について考えてほしいからです。そもそも義務教育は中学校まで。高校は任意で行くものです。
高校に行かず、働いても、起業してもいいはずなのに、そんな選択をする人はほとんどいません。“中卒”といえば悪いイメージを持っている人が多いでしょう。
本書を読み終わる頃には、これまでの既成概念が崩れ落ち、お金を稼ぎたくなっていると思います。もしかしたら起業したくなっているかもしれませんね(笑)。
そして、子ども向けに書いた内容ですが、仕事を辞めたいけど辞められないというサラリーマンの方にも読んでほしいし、専業主婦のお母さんにも読んでほしい。
最近は減ってきていると思うのですが、僕がとても嫌いな言葉があります。
「誰のおかげでメシが食えてると思ってるんだ!」
主に働いている男性が、妻や子どもに向かって言う絵が想像できると思います。
これってとてもつらいですよね。
昔に比べて離婚率が高くなってきていますが、1つの理由として女性の経済的自立があるそうです。
暴力的な家庭で離婚したいと思っていても、自分は専業主婦で離婚するとその先の生活に不安がある。昔はこのような状態の家庭が多かったのだと思います。
自分が嫌なことから離れるためには自立できる力、つまり稼ぐ力が必要です。
もちろん離婚を推奨しているわけではないですけど、対等な関係でいるためにはいつでも自立できる状態は大事ですよね。
日本人はお金の話を遠ざけたがるし、お金を稼ぐことをなんだか悪いことのように思う人もいますが、稼ぐ力は自分を守るための力だと思ってほしいです。
本書は、子どもでも読みやすいようにマンガを入れたり、用語の解説もところどころに入れたりしていますが、子どもにはまだ読みにくいところがあるかもしれないので、ぜひ親子で一緒に読んでいただければと思います。
僕のいま出せるすべてを書きました。ぜひ最後までお付き合いください。
小幡和輝
実際に起業している中学生との座談会も収録!
加藤路瑛(クリスタルロード取締役社長)
中井けんと(こどもばんぱく主宰)
益山永遠(Eteranun代表)
キメラゴン(月収◎百万中学生ライター)
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