中学生の子どもが不登校になった。
やっぱり心配なのは高校受験ですよね。
中学校までは学校に行かずとも卒業することができますが、欠席が多いと内申点が悪くて受験で不利だったり、そもそも学力的に受験が厳しいこともあるでしょう。
確かに不登校であることが不利になってしまうこともありますが、大切なのは正しい情報を知ることです。
不登校でも問題なく高校に入る方法はたくさんあります。
改めましてこんにちは。小幡和輝と申します。
全国100箇所で不登校の経験がある人を中心にイベントを開催したり「学校は行かなくてもいい」などの教育系の書籍を出版したりしております。
僕自身は10年間の不登校を経験し、高校進学のあとは、国立大学にも行くことができました。
この記事で紹介する不登校になったあとの選択肢が、少しでも参考になれば嬉しいです。
目次
不登校になった後に進学する高校の選び方
まず、お子さんがなぜ不登校になったのかを考えてみましょう。
不登校と聞くといじめや暴力、不良行為などが思い浮かぶかもしれませんが、決してそれだけが要因ではありません。
学校の先生との関係がうまく行っていなかったり、そもそも学校に行く意味を見出せなかったりと、いろいろな要因が考えられます。
その原因がわからないと、高校に行ったとしても同じように辛い経験をする可能性が高いです。
ですが、子どもが話したがらない可能性もあります。そもそも理由が自分でもうまくわからないということもありえます。
不登校になった理由はなんとなくも多いんですね。
無理に聞き出すのではなく、同じようなことが起きなくするためという前提を子どもと共有して、一緒に考えていくというスタンスを忘れないでください。
中学生の不登校に関する詳細を解説!
>>中学生の不登校の原因と対策!解決に向けて親が取るべき行動とは
【高校受験の前に】不登校生は全日制・定時制・通信制高校の違いを抑えよう。
まずは3種類ある高校をそれぞれ解説します。
- 多くの人が通っている一般的な全日制高校
- 授業時間が少なく、夜間に学べる定時制高校
- 自宅学習で、学校に行かずに学ぶ通信制高校
①全日制高校
いわゆる一般的な高校です。朝から学校が始まり、夕方くらいに終わり、部活があったり、学校行事などそれぞれの学校に特色はありますが、これは説明するまでもないと思いますので、詳しい説明は省きますね。
選び方としてはこれまでの同級生がいないところをおすすめします。
コミュニティを変えれば人は輝けるので、これまでとは違った環境に行った方が良いケースが多いです。
ですが、お子さんが・・くん、・・ちゃんと一緒なら学校に行きたいと思える信頼できる人がいる場合は同級生がいるところでもいいでしょう。
また学力が他の同世代より劣ってしまう傾向があるので、学力のレベルは出来るだけ下げた方が無理なく学校に通えると思います。
②定時制高校
少し前までは社会人の学び直しとして位置付けられていましたが、最近では不登校になった後の進学先として一般的になってきました。
特徴としては全日制高校よりも人数が少なく、授業時間が短いことが多いです。
また、1日5時間授業で3年間で卒業するか1日4時間授業で4年間で卒業するかを選ぶことができます。(ちなみに筆者は定時制高校を4年間で卒業しています)
定時制高校は夜間学校とも呼ばれ、ほとんどの定時制高校は夜間に授業を行うことが多いです。多くの子達は日中にアルバイトをしてから学校にくるので、お金を稼ぎながら社会勉強をしつつ、高校卒業を目指すことになります。
僕は定時制高校でよかったと思っていますが、デメリットをあげるとしたら学校行事や部活の少なさだと思います。
少人数だからこその手厚いサポートはいいのですが、人数が少ないということは部活が成り立たないので部活の選択肢は少ないです。
また文化祭や体育祭などの学校行事も無いことが多いです。
学校生活の思い出として文化祭などを楽しみたい人は、自分の行こうとしている定時制高校の学校行事を調べておくことをおすすめします。
③通信制高校
通信制高校は、在宅で勉強することで高校卒業が目指せる学校です。
単位制の授業になっていて、自分で授業を選択し、レポート提出で単位を取得していきます。学校によって若干変動はありますが学校に通うのは月1回程度でいいので、人と会うことが苦手な子どもにはぴったりと言えます。
また、時間に縛られず勉強することができるので、学業以外にやりたいことがある子どもにもおすすめです。
例えばフィギアスケートで有名な紀平梨花選手は通信制高校に通っているので、フィギアと学業をうまく両立しているようです。
デメリットとしては、定時制高校と同じように学校行事や部活の少なさだと思います。また同級生との繋がりができにくいこともマイナスかもしれません。
通信制高校の特徴はこちらの記事で解説!
>>【保存版】通信制高校を徹底解説!5つのメリットと卒業までの流れ
不登校から高校受験するなら知るべき2つのポイント
不登校から高校受験をするときに、ネックになるポイントは2点。
- 欠席日数
- 内申点
具体的にどのようなデメリットがあるのか解説します。
【不登校から高校受験するときのポイント1】欠席日数
不登校になると欠席日数が増えていきます。全日制の公立高校の場合は、1年間の欠席日数が30日を超えると審議対象になることも。入試が不利になってしまいます。
特に、推薦は欠席日数を条件の一つにしていることが多いので、受けられない可能性が高いです。一般受験は自己申告書で事情を説明することで、全日制の公立でも配慮してもらえる可能性があります。
定時制・通信制の高校や一部の私立高校は欠席日数を考慮しません。そのような学校を選ぶ方が得策ですね。
中3の欠席日数が一番みられるので、保健室登校やフリースクールを活用して、出席扱いにしてもらえると良いです。中1〜2の間の欠席が多くても、中3で減っていたら考慮してくれる学校もあります。
また、タブレット学習を自宅で行なって出席にできる仕組みも出てきました。
たとえば、タブレット学習の「すらら」を使うと出席扱いになるので、欠席日数のためにも学力向上のためにもおすすめです。
すららについての詳しい記事はこちら!
>>【評判】すららの5つの特徴とメリットを徹底解説【不登校生におすすめ】
【不登校から高校受験するときのポイント2】内申点
欠席が理由で定期テストを受けていないと、内申点が下がりがちになります。そのため内申点比率の高い学校を受けると不利です。
公立高校の場合、受験当日の試験の点数と内申点両方を加味して合否を決めます。このテストの点数と内申点の比率は7:3や4:6などさまざまです。
なお、私立高校の場合、内申点を重視しないところも多いもの。また、定時制高校や通信制高校も、それほど関係ありません。
どうしても全日制の公立高校に進みたいという強い希望がなければ、内申点をみられない学校を受けたほうが合格しやすいでしょう。
以上が不登校から高校受験するときのポイントです。この後に不登校向けの配慮のある公立高校を4つ紹介しますが、その前にもしよろしければ僕の公式LINEにご登録ください。
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【不登校向け】配慮のある公立高校と受験科目を紹介
地域限定にはなりますが、不登校の経験者が通いやすい公立高校が出てきています。
- チャレンジスクール(東京)
- エンカレッジスクール(東京)
- クリエイティブスクール(神奈川)
- エンパワメントスクール(大阪)
公立高校が選択肢に入るのは、学費の面でもうれしいですよね。それぞれ特徴を紹介するので、該当する地域にお住まいの方はぜひ確認してみてください。
【不登校向け公立高校1】チャレンジスクール(東京)
チャレンジスクールは、不登校経験者や高校を中退した方など、今までの教育のなかで自己の能力・適性を活かせなかった生徒のための学校です。
学校としての特徴は以下のような点にあります。
- 3部制の単位制高校
- 普通科目のほか情報や商業など幅広い選択科目を用意
- カウンセリング体制が充実
自分の目標を見つけてチャレンジするための場を作っており、メンタルケアにも配慮されているのが特徴です。
入試に関しては、学力試験も内申点の確認もありません。面接と作文が中心なので、不登校が長期化して学力に自信がないお子さんも挑戦できます。
【不登校向け公立高校2】エンカレッジスクール(東京)
エンカレッジスクールは、可能性を持ちながらも力を発揮できない状態の生徒を積極的に受け入れ、支援する学校です。チャレンジスクールが定時制なのにたいして、こちらは全日制。教育にも異なる特徴があります。
- 1年次は30分授業
- 定期テストなし(東村山高校を除く)
- 1クラス2名担任制
- 体験学習や選択授業が豊富
- 生活指導の徹底
社会生活を送るための基礎学力を身につけることを目標にした学校です。そのため、勉強が苦手で不登校になったが、学びたい意欲のあるお子さんにぴったりです。
入試に学力試験はなく、面接や小論文、実技で合否が決まります。
【不登校向け公立高校3】クリエイティブスクール(神奈川)
クリエイティブスクールは、不登校や学力不振により、中学生までに持っている力を十分に発揮できなかった生徒を対象にした学校です。きめ細かな指導で基礎学力をつけた上で、キャリア教育もおこなっています。
特徴は以下のとおりです。
- 1クラス30人以下の少人数制
- 中学までの内容を学び直せるカリキュラム
- 地域や企業と連携したキャリア教育
学び直しをしっかり行い、卒業後に社会で生き抜く力を身につけられるように教育しています。
入試は面接と小論文のみ。学力試験も行わず、内申点に至っては提出の必要がありません。そのため、不登校経験者も受験しやすくなっています。
【不登校向け公立高校4】エンパワメントスクール(大阪)
エンパワメントスクールは、不登校や高校中退経験者などを対象にした単位制高校。体験型授業を多く取り入れつつ、小学校レベルから学び直しのできるカリキュラムになっています。
- 1コマ30分の授業
- 英数国は15人程度で習熟度別授業
- グループ学習で人間関係力も育成
- スクールソーシャルワーカー、カウンセラーによるサポートが充実
と、勉強が苦手だったり、人間関係を理由に不登校になったりしたお子さんでも通いやすい特徴が多くあります。卒業時に、社会で生き抜く力を全員が身につけられるように教育している学校です。
入試は2段階で選抜されます。まず、第一手順として面接・自己申告書・調査書のみで合否を決めます。このとき、調査書は行動の記録のみ確認し、内申点はみられません。
つぎに、第一手順の不合格者に対して、5教科の学力試験と内申書で合否を決めます。このように、2種類の選抜をしているので、どのようなお子さんにもチャンスがあります。
不登校からの高校受験で大切なこと
定時制高校や通信制高校を目指すのであれば、中学までの成績や内申点などはあまり関係ないです。
そもそも定時制や通信制高校は不登校だった子どもを受け入れるために作られているところが多いので、入学してからもサポートが手厚いですし、勉強のレベルも比較的簡単です。
ですが、全日制高校に進学する場合、不登校であったということはあまり考慮されず、他の同級生たちと同じ受験競争で勝たなければなりません。
受験競争に勝つためには受験を突破できる学力を自宅学習で身につけること、そして欠席日数が多いことによる内申を悪くしないことが大切です。
それを一緒に補える方法を紹介します。
【知っておきたい最新情報】不登校でも自宅学習で出席扱いに
最近の法改正(教育機会確保法)もあり、自宅学習による出席認定が認められるようになってきました。
文部科学省によると以下の7つの要件を満たしていれば、自宅学習でも学校の授業に出席したとして扱われます。(参考:文部科学省HP)
- 保護者と学校との間に十分な連携・協力関係があること
- ITや郵送,ファクシミリなどを活用して提供される学習活動であること
- 訪問等による対面指導が適切に行われること
- 当該児童生徒の学習の理解の程度を踏まえた計画的な学習プログラムであること
- 校長が対面指導や学習活動の状況を十分に把握していること
- 生徒が学校外の公的機関や民間施設において、相談・指導を受けられないような場合に行う学習活動であること
当該学習の計画や内容が、その学校の教育課程に照らし適切と判断される場合であること
この要件に対応している学習教材を利用することで、在宅で学習しながら出席扱いを受けることができるので、不登校であっても学力と内申をどちらもカバーすることが可能です。
例えば、すららはインターネットとパソコンやタブレットを利用したIT学習なので、上記要件である2番を満たしています。
また文部科学省の学習指導要領に対応しており、専属コーチによるカリキュラム作成、その日に学習した内容の保存など、4番・5番・7番にも対応可能です。
もちろん学校との間に十分な連携が必要ですが、すららを利用することで出席扱いになる可能性はグッと高まります。
出席の有無は内申点にも大きく響くので、高校受験を控えているお子様にとってはかなり効果の高い制度だと言えるでしょう。
すららは不登校生にとっても、オススメの教材です。
すららについての詳しい記事はこちら!
>>【評判】すららの5つの特徴とメリットを徹底解説【不登校生におすすめ】
高校受験にフォーカスするならスタディサプリもおすすめ
フリースクールに通っているなど、すでに出席扱いにはできているお子さんにもタブレット学習はおすすめです。特に、学力があれば内申点の低さをカバーできるので、全日制高校を目指したい方にはピッタリのツールだと思います。
特に、スタディサプリは個別の担当コーチを付けた上でスケジューリングしてくれて、自宅で個別指導が受けられます。受験まで逆算して対策したい、という方に向いているでしょう。
14日間の無料体験があるので、お試しした上で「すらら」と比較して選ぶのもおすすめです。
中学生向けのタブレット教材の評判を調査!
>>【レベル別】中学生向けタブレット学習教材おすすめ5選!取り入れるメリットも解説
なんのために高校に行くかを考えることも大切
思わず忘れがちになってしまいますが、そもそも高校は義務教育ではないので必ず行く必要はありません。
無理に高校に行くのではなく、そのまま働くという選択肢も考えてみましょう。
ただし、その場合はある程度仕事に繋がる資格やスキルがあった方が良いでしょう。
不登校の時間を有効に使って、お金を稼ぐスキルを身につけるという道の方が向いている可能性も考えてみてください。
それでもやっぱり高校に行きたいということであれば、ここからの記事をぜひ読んでください。
僕は不登校になった後の不安の多くは、情報を知らないからだと思っています。
例えば2016年に文部科学省が不登校は問題行動ではない、学校復帰にこだわらない支援をすることが大切と明言していますが、このこともまだまだ知られていません。
引き続き情報を発信していくことで、不登校に対する偏見や過剰な不安を無くしていければ嬉しいです。