「進学校に通っている高校生の子どもが不登校になった場合、親はどう対応したらいいの?」
「進学校に入って不登校になる割合って多いの?」
このような悩みを抱えている親御さんも多いのではないでしょうか。
不登校になる理由は人それぞれですが、今お子さんにとって大切なのは「不登校を認めてお子さんの居場所を作ってあげること」です。
とはいえ、大学進学や就職活動に影響しないか、心配や焦りを感じる方も少なくないでしょう。
そこで本記事では、進学校に通う高校生が不登校になる割合や理由、親ができる対処法を解説します。ぜひ最後までご覧ください。
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目次
高校生が不登校になる割合や人数は?
令和2年度の文部科学省の調査によると、全国の高校生の不登校者数は43,051人となっています。
同調査において、1,000人当たりの不登校生徒数は13.9人となっており、71人中1人、つまり2クラスに1人程度の不登校者がいる計算です。
そして、全国の国公私立別高等学校のうち、不登校生徒がいる学校の割合は79.9%。この結果から、高校生の不登校は珍しくないことが分かります。
参照元:令和2度児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果について
高校生が不登校から復帰する割合は45.3%
「令和4年度県立高等学校の生徒指導上の諸課題の現状について」という資料によると、全国の公立高校の不登校生徒の復帰率は45.3%(令和4年度のデータ)です。
数値でみると、約半数の子どもが、不登校から復帰しています。
また復帰率は上昇傾向にあり、令和2年度が42.5%・令和3年度が44.0%です。
上昇の要因として、スクールカウンセラーや相談員など、不登校生徒に対する支援体制が整備されつつあることが挙げられます。
都道府県・指定都市の教育委員会・教育センター・研究所・教育相談所・相談室では、不登校をはじめとするさまざまな相談に応じています。
- いじめ
- 不登校
- 友人関係
- 教職員との関係
- 学業・進路
- 家庭
など
このうち、高校生の不登校に関する相談件数は9,563件で、相談形態の割合は以下の通りです。
- 来所相談:59.8%
- 電話・訪問・巡回・SNS等の活用による相談:14.3%
SNS等の活用なども含め、不登校に関する悩みを相談し、復帰しやすい環境が整ってきているといえます。
参照元:令和2度児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果について
進学校に通う高校生が不登校になる4つの理由
進学校に通う子どもが不登校になる理由は、主に以下の4つです。
- 勉強に対する意欲が湧かなくなった
- ハードなスケジュールで余裕がない
- 周囲と比べて自分が劣っているように感じる
- クラスに馴染めない
それぞれ詳しく解説します。
1. 勉強に対する意欲が湧かなくなった
進学校に入る受験のためにたくさんの勉強時間を費やした結果、入学後に一気にストレスや疲れを感じることで、勉強への意欲が湧かなくなることがあります。
「バーンアウトシンドローム(燃え尽き症候群)」とも呼ばれる状態で、これまで1つの物事に集中していた子どもが、急に無気力になってしまう可能性は少なくありません。
実際、令和2年度の文部科学省の調査結果でも、全国の国公私立高校生の不登校の要因として「無気力・不安」は全体の37.7%と、最も多い結果となっています。
2. ハードなスケジュールで余裕がない
進学校に通う高校生は、普段の授業や宿題に加えて、部活動やアルバイトなどでハードなスケジュールとなりやすく、極度なストレスから不登校につながることがあります。
ハードスケジュールで余裕がないと、しっかり休息をとったり、友達と遊ぶ時間などを確保したりできません。その結果、身体的・精神的なストレスがかかりやすくなります。
ストレスによって脳が疲労し、睡眠不足や頭痛などの症状が重くなった結果、うつや自律神経失調症などの体調不良につながることも。
予定を詰め込みすぎている状態が続くと、不登校の可能性が高まります。
3. 周囲と比べて自分が劣っているように感じる
進学校は周囲の学習能力のレベルが高い傾向にあり、自分が劣っているように感じてしまいがちです。
中学校では成績上位でも、進学後は思うように成績が伸びない…というケースは珍しくありません。テストの結果を友人と比べて自信を失い、不登校につながるのです。
文部科学省の調査結果によると、全国の国公私立高校生の不登校の要因として「学業の不振」は全体の6.1%でした。
また、周囲からの期待やプレッシャーなどによって劣等感を抱くことがあります。
劣等感が強くなると自己肯定感が低下し、勉強への取り組みだけでなく、学校へ行くこと自体が苦痛になり、不登校につながるケースが考えられます。
4. クラスや学校に馴染めない
進学校に通い始めると、周囲との人間関係がうまくいかず不登校になることがあります。
人間関係の問題は、同じクラス内でのいじめだけではありません。先輩との上下関係や、教職員との関係も含まれます。
文部科学省の調査によると、人間関係にまつわる不登校の要因と割合は、以下の結果となっていました。
- いじめ:0.2%
- いじめを除く友人関係:8.8%
- 教職員との関係:0.5%
- クラブ活動・部活動等への不適応:0.9%
特に多いのは「いじめを除く友人関係」です。いじめられているという認識はないものの、居心地が悪かったり、価値観が合わないと感じたりして、不登校になるケースがあります。
中学生・高校生の不登校の原因についての詳しい記事はこちら!
>>中学生の不登校の原因と対策!解決に向けて親が取るべき対応とは
>>高校生が不登校になる原因と親がとるべき対策【元不登校生の助言】
不登校の高校生が抱える心の中での悩みや焦りとは
進学校の高校に入って不登校になり悩んでいるのは、親御さんだけではありません。
不登校になった本人も、親には打ち明けられない以下のような悩みや不安・焦りを抱えているケースは少なくないでしょう。
- 人間関係に対する不安がある
- 卒業への焦りを感じる
- 将来への不安がある
それぞれ詳しく見ていきましょう。
1. 人間関係に対する不安がある
高校生は思春期の真っ只中で、周囲の影響を受けながら自分を確立していく時期だといえます。
思春期の心の発達には多くの要因が関係し、親から自立したいという欲求がある一方で、親元から離れる不安も感じるタイミングです。
その不安に対処するため、仲間と一緒に行動することで安心感を得ようとするのですが、ここで仲間とのトラブルが発生すると、心の発達に影響を及ぼすこともあります。
周囲のレベルの高さについていけなかったり、些細なことでトラブルになったりした経験があると、「学校に行きたくない」「周囲とうまくやっていけないかも」という思いから抜け出せなくなるのです。
2. 卒業への焦りを感じる
進学校で不登校の高校生の中には、卒業や将来への不安や焦りを感じている子どももいるでしょう。
何らかの理由で不登校が続いていると、次第に出席日数が減っていきます。高校は中学校とは違い、出席日数が不足すると留年になる可能性が高いです。
ところが、思春期である高校生は周囲の目が気になりやすいため、学校に行きたくても「周りの目を考えると、いまさら戻れない」と感じることがあります。
復帰したくても復帰できないという状況で「卒業できなかったらどうしよう」という不安を抱えて過ごす不登校の子どもは多いです。
3. 将来への不安がある
不登校期間中の高校生は、何も考えずに過ごしているわけではありません。
高校時代は将来のことを明確に考える時期なので、自分の未来に不安を感じて、悩みや焦りを抱えている子どもはたくさんいます。
また、不登校で休んでいる間に、周囲から「将来はどうするの」「学校に行かないなら何するの」と聞かれて、大人になることへの恐怖や不安を感じてしまっているケースもあります。
特に進学校に通っている子どもは、周囲から期待をかけられやすいので、知らず知らずのうちにプレッシャーを抱えていることは珍しくありません。
将来を期待されている状態と、不登校という現状を比べて、強い不安感を覚えていることがあります。
進学校を不登校の高校生に対して親ができる対処法4選
進学校の高校生が不登校になった際、親ができる対処法は、主に以下の5つです。
- 不登校を認めてゆっくり休ませてあげる
- 子どもの話に耳を傾ける
- 学校以外の居場所を作ってあげる
- オンライン家庭教師を活用する
それぞれ詳しく解説するので、見ていきましょう。
1. 不登校を認めてゆっくり休ませてあげる
まずは不登校を認め、ゆっくり休ませてあげることが大切です。
不登校=悪という考えを持っている方は多いですが、決して悪いことではないし、特別なことではありません。実際、不登校を経験したあとに、社会に貢献している人はたくさんいます。
親としては、せっかく入れた進学校なので、子どもの将来が不安…と悩む方は多いかもしれません。
ただ、進学校に入って不登校になった子どもは、これまで必死で勉強してきた身体的・精神的な疲れやストレスが蓄積されていると想定されます。
これまで支えてくれた親御さんから理解してもらえることで、お子さんは安心感を持てるでしょう。
不登校に関して、時間のある時に読んでほしい記事を以下にまとめているので、ぜひ参考にしてください。
>>学校に行きたくない不登校の子どもと親御さんに読んでほしいおすすめ記事まとめ。
2. 子どもの話に耳を傾ける
親御さんとしては、せっかく入れた進学校になぜ行かないのか、理由を聞き出したくなるかもしれません。
ところが、親が不登校をネガティブに捉えていると、子どもは話をしたがらなくなる可能性が高いです。
そこで、まずは子どもの気持ちに寄り添い、「不登校は悪いことではないんだよ」というスタンスで話を聞いてあげましょう。
不登校の高校生は、卒業できるか不安だったり、将来像が決まっておらず焦りを感じている可能性があります。
「なんで学校に行かないの?」「将来どうするつもり?」と聞くとプレッシャーになり、心を閉ざしてしまうかもしれません。
実際、僕も親から聞かれ、嫌な気持ちになった過去があります。
不登校の原因を無理やり聞き出そうとせず、話しやすい雰囲気作りも大切です。
3. 学校以外の居場所を作ってあげる
学校以外に自分らしさを発揮できる居場所を作ることで、子どもの不安を解消できる可能性があります。
例えば、今の進学校が子どもに合っていない場合、他の学校への編入や別の進路を話し合うのも1つの方法です。
もちろん学校以外にも、人とのつながりや学びの場はたくさんあります。おすすめは、全国各地にあるフリースクールです。
フリースクールとは、不登校の子供に対し、学習活動、教育相談、体験活動などの活動を行っている民間の施設です。
規模や活動内容は多種多様で、民間の自主性・主体性の下に設置・運営されています。
勉強についていけない、人間関係に悩みがある、などさまざまな理由で不登校になった子どもたちが、自分のペースで学習できたり、好きな活動を通して仲間を見つけたりすることが可能です。
以下に全国のフリースクールの情報をまとめたので、ぜひお近くの施設を探してみてください。
【保存版】東京のフリースクール20選を調査【メリット&デメリット】
<北海道>
【保存版】北海道のフリースクール17選を調査【メリット&デメリット】
<東北>
【保存版】青森のフリースクール3選を調査【メリット&デメリット】
【保存版】岩手のフリースクール6選を調査【メリット&デメリット】
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【保存版】宮崎のフリースクールを調査【メリット&デメリット】
4. オンライン家庭教師を活用する
学校に行かなくても、オンライン家庭教師を活用し、自宅で勉強するのも選択肢の1つです。
オンライン家庭教師とは、パソコンやタブレットのビデオ通話機能を使って、勉強の指導を受けるサービスです。
個別指導なので集中でき、まわりの目を気にせず学習できます。また、自宅に家庭教師を招く必要もないので、親御さんにとっても負担は少ないといえるでしょう。
例えば「インターネット家庭教師Netty」は、難関国立私立対策コースや志望校別受験対策コースのほか、不登校サポートコースも用意されているオンライン家庭教師の1つです。
学校に行っていない期間でも学習でき、教師と顔を合わせる必要もないため、子どもの精神的な負担を軽減できるでしょう。
おすすめのオンライン家庭教師について詳しく解説した記事はこちら!
>>【完全版】オンライン家庭教師の評判・口コミをチェック!おすすめサービス15選も紹介
進学校の不登校に関するよくあるQ&A
ここでは、進学校の不登校に関するよくあるQ&Aにお答えします。
進学校でうつ病を発症して不登校になったらどうしたらいい?
高校生でうつ病になって学校に行けない場合でも、早期治療によって解決できたり、自分なりの方法で解決したりして、未来を切り開ける可能性は十分にあります。
ただし、うつ病の症状が重症化すると「死んでしまいたいほどつらい気持ち」が湧いてしまうことがあるため、自己判断をせず、病院を受診するようにしましょう。
参照元:こころの情報サイト|うつ病
進学校の高校生は不登校でも大学受験できる?
進学校に入って不登校になり、卒業できなかった高校生は、高校学校卒業程度認定試験を受けて合格すれば大学入試に出願できます。
まだ在学中で時間に余裕がある場合は、以下のような方法で高校卒業資格を得れば、大学受験を目指せるでしょう。
- 現在通っている高校の保健室登校で卒業する
- ほかの全日制高校に転校して卒業する
- 定時制高校に転校して卒業する
- 通信制高校を卒業する
親としては、進学校を卒業して大学受験に臨んでほしい、と思うかもしれませんが、大切なのは「子どもの気持ちを尊重し、まずは不登校を認めてあげること」です。
大前提として、不登校が原因で大学受験が不利になることはないため、子どもの気持ちを踏まえたうえで、今後の行動を考えていきましょう。